世代が移り変わると、
生活の変化とともに愛され、
受け継がれてきた建物であっても
壊されることが多い現在。
しかし、躯体や部材に関しては
その寿命に達したわけではなく、
住む人の価値観や考えによっては
残し生かせるものもある。
世代を超え、時を経た建物に
デザインという
さらなる価値を付け加える。
サスティナブルデザインと
住む人の思いを大切にするのが
私たちの考えるリノベーションです。
上を見上げれば、
恐らくまだ機械も工場もなかった頃、
人の手仕事だけで作られたものであろう、
曲がりくねった梁。
大小ある太めの柱たち、
そしてすきま風も少々。
傷んだ場所も直しつつ、
現代人の納得できるところまで持っていこう。
建物そのものを解体して、
現代風にしてしまえば話は簡単だ。
工場が住宅をつくりだしてからは、
美しさの基準も変わってしまったし
簡単に組み立てられる家からは、
何も感じられなくなってしまったように思う。
古民家の良さを残しつつ
リノベーションしていくことの
忘れてはならないテーマは、
美しさを残すことなのです。
もしこの古民家が
ポケットに入るのならば、
多くの外国人が
母国に持ち帰りたいと
切望するほどのもので
なければならない。
古き価値に住みやすさや
デザインというスパイスを加え
より美しいものへと昇華させる。
それが100年、150年と愛され続ける家へ
生まれ変わることなのです。